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記事読むのが面倒な場合は音だけでも聴いてってください!!(懇願)



◆楽曲オタク Advent Calendar 2020 - 

この記事はなまおじさん(@namaozi )主催のAdvent4日目の記事です。
2016-20年の同人音楽(女性ポップス)が多めの記事だよ。

はじめまして。かすとらです。
(最近『すとら』より改名しました。)
すとらという名前はうちの子(ドール…ミニドルフィードリーム)に引き継がれたのだ…(?)

普段はまんがタイムきらら作品に関する二次創作……アナログお絵描きをしていることが多い者です。
茶太さんの楽曲の数々に惹かれて同人音楽の世界に迷い込み、M3は参加者としていろいろ楽しんで4-5年くらいか。
最近DDJ-400を買ったので、DJもしていきたいな。

では、本題へ。

◆BOOTHで同人音楽を漁る

ピクシブ株式会社……pixivが運営する通販サイト、BOOTH。

ここは買う側も売る側も、他サイトよりも『同人活動』という色が強く出ている気がしていて、僕はこの場所が好きだ。

いつでも、本やグッズと一緒に曲が売っている。曲だけが並んでいる通販・電子販売サービスとは違う賑やかさ。
個人的に、もっとも気軽にリアルイベントのような親近感で、サークルの頒布物と出会える場所に感じている
(ショップ側目線では手数料が安い・匿名配送ができる・使いにくいけど倉庫委託もできる…といったメリットも大きい)

BOOTHで同人音楽を買い始めたきっかけは、1年に1度くらいの頻度でやっているweb同人音楽イベント・Apolloがきっかけだった。
(ApolloはBOOTHの音楽系の頒布物をまとめた、期間限定のイベント)
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・次世代の即売会を名乗る『Apollo』のトップ画面。
(次世代な雰囲気はVket系に取られてしまった気がする2020年だったが、ぜひ次回開催も企画してほしい……!)
Apolloは試聴のしやすさにとても力を入れていて、いろいろな1作品が15秒でサーっと再生される。そこでビビッときた音色に出会ったらHappy Endだ。


普段のBOOTHではこのような試聴はできないが、この場所で買える同人音楽について、自分が触れてオススメ!と思った曲たちを紹介していきたいと思う。


紹介は『文章短め、動画があれば必ず貼る』のスタンスで行こうと思う。
BOOTHかBandCampでDL購入できる作品のみ紹介しているので、動画を聞いて"良い"と思ったら、すぐに買って手持ちのプレーヤーに入れれる。
そう。あなたもだ!

THE CINEMATIC CIRCUS (DL版:\1000, 常時購入可)

↑のリンクからBOOTHにとべるよ。
●サークル monobeat(主催:秋本すばこさん)

『オオカミの子』という一曲に衝撃を受けた一枚。
BandCampだとフル試聴できるため、とりあえず再生ボタンを押してほしい…

(最初の5秒ほどは無音なので、再生してゆっくり待ってね)

はじめまして僕はオオカミの子
森からこの街に降りてきたの
路地裏が僕のすみかさ だから僕はいつも一人ぼっち
タイトルの通り「オオカミの子」の1日のお話を描いた1曲。
ボーカル:かずらなつさんの歌声が童話のようにやさしく、やさしくこの子の物語を紡いでいく。
少し早口なかずらなつさんの歌い方が絶妙な塩梅に感じて、このテンポの速さでありながら歌詞が非常に聞き取りやすく、スッと頭に入っていく…その雰囲気がたまらなく好きです。

他の曲もサークルのように賑やかな一枚で、7曲目『Hello, Mr. "Wonder Man"』もオススメだ。


ミネルヴァの日記 (DL版:\500, 常時購入可)

●サークル リトルノサミット(主催:佐倉ユナさん)


その日私たちは 旅に出た-

ジャケット絵がとても美しい……そしてこの絵は音楽の世界を忠実に描いてるかのような、幻想的なファンタジー世界を紡いだ1枚。
3曲とも試聴の通りの世界観で、試聴でビビっときた場合には確実にハマること間違いなしと思います。

このサークル「リトルノサミット」はアルバムごとにテーマも曲調もまったく違うテイストになるのが飽きずに新鮮だなと思っていて、ファンタジー全開なこの雰囲気は、多分本作だけ?


薬草 (CD版:\1000, DL版はBandCamp)

・サークル sea-no (主催:sea-noさん)



sea-noとmamomoがお届けする、

大切なだれかを守るために植物から知識を授かる薬のおはなし。


これぞ、これぞヒーリングミュージック。
動画を再生ボタンを押した時から、終わった時まで、ゆっくりゆっくり、優しい優しい歌声がそっと響く1枚。
歌詞のシンプルさ・短さがとても脳に残り、脳内で響くその言葉から、気がつけば気持ちが安らぐ……そんな曲たちで溢れています。

2曲目『カノコソウ』の以下の文章をサビで歌い切る……その単語ひとつひとつが、ありありと情景が浮かび、音が広がるとともに世界が広がるその描写は必聴です。

闇に
浮かぶ火が 照らしだす

おぼろげな
か細い指 確かに伸ばして

結ぶ
固い目が 繋いだ朝

この
空回る鼓動を 解かしてく

このアルバムは2019年秋M3に出会って、19年最高傑作・その1と感じたくらい、日々に溶け込みました。
今年もこの『薬草』に日々癒やされ、大変お世話になりました。

あなたの日々にも、薬草を。


・おまけ
このアルバムの最後の曲「omake 軌跡」は花近&そらこさんの『aeterne』というアルバムに入っている曲のアレンジバージョンになります。

薬草では、short版で収録されているのがとても良い、と個人的に思います。
アルバム1~5曲目で紡いできた薬草の世界観に対して、短く……ちょっと旅をして綺麗にまとめた形が最高のアルバムの締めに感じて。


星を眺める 旅をしていく-



秋景 (DL版:\200, 常時購入可)

・サークル sola(主催:solaさん)

 
変わっていく秋の空、変わらない私たち。

知人二人に今回の記事の話題を振った時に提示されて「あ~~~~やっぱりこれだよな~~~~!!!(謎ガッツポーズ)(オタクスマイル)」となった1曲。僕も大好きです。

サビまでのシンプルなギターに乗せたsolaさんの歌声がとても大人っぽくて、大人っぽいんだけども成長しきった”大人”ではない…悩みを紡ぐ姿がとても秋っぽく感じる作品。

このサークルの作品は正直全部オススメ!と言いたいところだが、『銀河ハイウェイシンドローム』(DL版/600)はそれよりキラキラ明るいテイスト、『my little neverland』は本作のようなノスタルジーさをアルバムにこめた1枚です。


向こう側 (DL版:\300, 常時購入可)

・サークル:iaitokyo



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シュッシュッポッポ シュッシュッシューッ。 まもなく、 「こちら側」から 「向こう側行き」が 発車いたします。 ご乗車の方はお急ぎください。
ジャケットや動画のイラストで((なんだ……??))と思った人もいるかも知れないが、それがこのサークルの世界観だ!

ちょっと不思議な世界「トウキョウパラドックス」を舞台に、ふわふわした世界を描くこのサークル。
初見のインパクトはすごいが、曲やその世界観には"奇をてらった感じ"がまったくなく、気がついたら日常的に聴く曲の一つになっている……そんな馴染みやすさがあるように感じる。
本作『向こう側』はややアップテンポめで、最初に聴く1枚にもってこいと思いチョイスしました。


最後に、iaitokyoさんはコミティアで同人音楽やグッズを頒布していることも多く、見て楽しいスペースになっているので是非訪れてほしい。

aqua aura (DL版:\1100, 常時購入可)

●サークル garnet



知人二人にこの記事の話をして、『秋景』とともに勧められた一枚。
そして、秋景は自分も好きな作品の一つだったが、この作品はまだ購入していなかったため先日買ったばかりだ。

勧められて思ったのが、BOOTH・Youtube・特設サイトのどこを見ても作品の紹介キャッチフレーズや作品の紹介がないシンプルな姿が目に写り、とても印象的だなと思った。
こういう作品で語る姿も、作品に彩りを添えて伝える姿もどちらも好きで、同人活動の個性が出るところでもあると思う。
この紹介も他よりシンプルにしておこうと思うので、作品を聴いてみてほしい。


個人的には、とくにアップテンポに勢いよく攻め、ゲストボーカル:F9さんの歌声がカッコよく冴えて響くナンバー、『heliolite』が気に入っている。
このサークルの新譜『tanzanite』も買ってまさに今聴きこんでいる最中なので、日がたったら改めて書いていきたいと思う。

化石/マロウ (DL版:\500, 常時購入可)

●サークル neko-croissant

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(試聴は上記BOOTHより!)
博士を想いながら"言葉"の手触りを確かめるアンドロイドの少女と、故郷を離れる幼馴染みを想いながら紅茶を入れる女の子。
繊細で柔らかな気持ちを歌った2人の曲を、音で紡いだ手紙にして貴方にお届けします。
―この紹介文、『音で紡いだ手紙』、という表現がとても好きだ。


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『化石』


本作は、曲だけでなく、ジャケット絵、アルバムの装丁、BOOTHの紹介文……すべてが一体となって”作品”になっている1枚に感じている。
(ボーカルのchamoさんが上記ジャケット絵も描いてることに、この一体感へ大きな影響を与えているかも。すごい。)

……そこで思い出す話があるのだが、
この記事を書いて、人間は耳だけで音楽を聴いていないんだなって改めて思いました。
そして、自分はそれでいいし、それがいいんだと思っています。
Advent Calender初日……主催・なまおじさんの記事の締めの文章である。僕もこの一文はすごく共感するとともに、それをとくに本作品に思っています。
絵も映像も漫画も小説も曲も料理も、人間は創作物に触れているとき、例えば音楽なら耳だけでなく、五感が複雑に作用しているような気がして。
(個人的には料理が最も当てはまると思う。創作料理って言うしね。)


曲の方に話を戻すが、このCDはタイトルの通り『化石』と『マロウ』の2曲構成だ。
それぞれについて、とくに『化石』について、語っていきたいと思う。


●化石

冒頭に書いた作品紹介の引用文の上半分、博士を想いながら"言葉"の手触りを確かめるアンドロイドの少女が日々を………永遠にも感じるような、長い長い日々を、自分が想ったことをゆっくりゆっくり紡いでいく曲だ。
その感情から自分自身のことを『化石』になると表現しつつも、世界……神様を恨んだり、自分の行動を後悔するといったネガティブなものが何もなく、いま、たしかに自分が立っている光景からくる感情を、手紙のような文章で紡いでいく。


この曲の雰囲気はアコギの音色もあいまってとても乾いていて、日々を過ごすさまを描く歌詞からもその空気が如実に出ているのだが、決してこのアンドロイドの少女の生活は"無味乾燥"ではないと感じる。

その世界には、心のかたちをなぞり、ひとつひとつ反芻し、手紙を紡ぐ少女がひとり、たしかにいるのだ。
切なくも感じるが、少女は幸せだったんだな、と強く感じる。
このまま このまま 変わらず生きていて
誰かを 何かを 想っていいですか?
その生活……歌詞で繰り返される『このまま』という言葉には、少女の儚さとともに、はっきりとした意志の強さを感じる。
完全に自分のイメージだが、戻ってくる人はもういないけど、静かに静かに部屋を整えてる感じの雰囲気がどことなく漂う……そんな何気ない描写の数々がすごく好きである。
この曲の最後に、少女が何を紡ぐのか、ぜひ聴いてみてほしい。


そして、僕がこの曲の中で一番良いなと感じている瞬間は、他の何でもなく『間奏』であると思っている。
ある日世界が 薄皮剥がれ
現れた果実が 例えば苦ったとしても
戻れない、
戻せない
神様の目を盗んで 捨てることもできずに

……………………薄皮が剥がれて現れた……『神様の果実』を捨てることが出来なかった少女に訪れたのは、長い長い間奏なのである。
曲の『歌詞・世界観』と『間奏』が完璧にマッチしたこの1曲、そしてこの間奏の後のちょっと気持ちを切り替えて晴れ晴れとしたような描写の後に訪れる、余韻。
総合して、この作品は""過ぎゆく時の長さ""という概念が、曲の中で非常に丁寧に作られていると思う。



●マロウ

『化石』が終わり、曲と曲の間に数秒の無音が挟まり(この余韻すら良いなと思う)、その次に始まるのは軽快なアコギの風が通り抜けスカートが風になびくような爽やかさの、『マロウ』。

先の曲に述べた、"過ぎゆく時の長さ"はこの曲を聞いて改めて感じるものでもあるのだ。化石は6分20秒かけて……長い長い時をゆっくり紡ぐのに対して、この曲は2分半で、アップテンポに軽快に描く。

曲にはFull版、Short版といった区分をされることも多いが、Short版のような尺で完成された姿になる曲もあるのだな、と『薬草』における軌跡と、この曲『マロウ』に強く思う。
短い曲ながら、この曲があるとないとでは、作品の余韻は180度変わるくらいのインパクトがあると感じる1曲だ。
いろいろ情景を思い描きその世界観に浸った後に、清涼感あふれる曲でとても気持ちよく一冊の本を閉じることができるような。

……長々と考察のような文章を書きつられたが、とても気軽に聞ける曲であると思うので、是非触れて見てほしい。




このサークル、neko-croissantの新譜『センス・オブ・ワンダー』
今回紹介した化石とはまた一味違う、新しい風、冒険の先を感じる描写に惹かれる一作だ。


ちょっと余談。
この1年でいったい自分は何回ツイートしたんだろうと思い「from:abs_tra 化石」でツイート検索したら100ツイートを越えていた程度にはずっと聞き続けていたのに自分自身ビックリした。
(自分が曲を聴いてるときにぼやくツイート、たまに見返すとハマっていた時期などがよく分かって、個人的に面白いなと思っているなど…)


2020年の楽曲Adventarのために書いているこの記事だが、2019年10月頃に知った『薬草』 とこのアルバム『化石/マロウ』の2枚のインパクトが本当に大きかったので、19年の作品ながらひとつの形として残して文章におきたいな、と思ったのがAdventar参加を決めたきっかけでした。
(毎年思うのだが、秋M3の後に年内で曲について書けるほどの時間がない……)


もし来年も参加していたら、その時はやっぱり2020年の曲について書いている気がする。
その時はどんな曲についてツイートし続けているかな。






















◆あれ?あのアルバムないの? 



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あるよ!!!
初日の主催、なまおじさんの記事にもあった"あの"サークルの作品について、この記事でも触れるおこう。

そのサークル、『魚座とアシンメトリー』。このサークルについて、自分が一番最初に触れたのはApollo(記事冒頭に書いたBOOTHの音楽イベント)であった。
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一番最初に知った作品、
early summer, airy colour 』

その時は((うぉ~~~~!!!いいアルバムあるなあ!!!!))と言った気持ちでテンション高く聞いていて、この作品を紹介するレビュー文章を投稿したこともあった。だが、自分にとって天地を揺るがす事件があったのはその後だった。


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えっ!?!?!?!?あっ!??!?!?!?タツノコッソ先生じゃん!?!?!?!?!(オタク特有の奇声)
……僕は、一番はじめに書いたとおり『まんがタイムきらら』系列の作品が大好きで、タツノコッソ先生の作品、『社畜さんと家出少女』が大好きなのであった。

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社畜さんと家出少女。家出した女の子と常に携帯に電話が鳴り響く社畜さん。その二人の間に描かれる暖かなやりとりがとても心惹かれる一作なので、同人音楽好きな人も、まんがタイムきららが好きな人も是非読んでみてほしい。



好きな同人音楽サークルと、好きな作家が出会い一つの策品となる。こういう唐突な楽しさも同人音楽らしいなとちょっと思ったのであった。

この章で最初に上げた『side by side』では主催・なまおじさんらも参加されてたり、これらとはまたちょっと違う賑やかな一枚になっている。
なまおじさんの『ハッピー・ホリデー・エクスプレス』は魚座とアシンメトリーの空気からちょっと違う、いつもと違う服を着ておでかけをするような空気が漂っていて大好きだ。




◆さいごに

あなたが1枚でも気に入った作品があると、嬉しく思います。
そして、「そのサークル好きならこれも聞けよ!」といった物があれば是非、@abs_traにリプライぶん投げてください。